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海外西経海外西經

山海経(山と海の彼方を記した経) 山海經 · 作者未詳 · 郭璞 注 · 戦国〜前漢(注は4世紀) · 段落 23 · 漢字 616字 · 朗読 2.5分

山海経(山と海の彼方を記した経) 海経・海外西経 山の彼方と海の外の国々を記した最も古い地理書であり、神話の蔵である。一人が作ったものではなく、戦国時代から漢まで多くの手を経てできあがり、4世紀に郭璞が注を付けた。九尾の狐、精衛、夸父、刑天、西王母はみなここから出た。「東海の内、北海の隅に国があり、その名を朝鮮という」 — 朝鮮という名が残る最も早い記録の一つがこの書にある。

海外自西南陬至西北陬者。

海外の、西南の隅から西北の隅に至るものである。

滅蒙鳥在結匈國北,為鳥青,赤尾。

滅蒙鳥は結匈国の北にある。鳥は青く、尾は赤い。

大運山高三百仞,在滅蒙鳥北。

大運山は高さ三百仞で、滅蒙鳥の北にある。

大樂之野,夏后啟于此儛九代;乘兩龍,雲蓋三層。左手操翳,右手操環,佩玉璜。在大運山北。一曰大遺之野。

大楽の野で、夏后啓はここで「九代」を舞った。二匹の龍に乗り、雲の覆いは三重であった。左手に羽根の覆いを持ち、右手に環を持ち、玉璜を帯びていた。大運山の北にある。一説に、大遺の野という。

三身國在夏后啟北,一首而三身。

三身国は夏后啓の北にある。頭が一つで身が三つである。

一臂國在其北,一臂、一目、一鼻孔。有黃馬虎文,一目而一手。

一臂国はその北にある。腕が一本、目が一つ、鼻の穴が一つである。黄色い馬がいて、虎の模様で、目が一つ、手が一本である。

奇肱之國在其北,其人一臂三目,有陰有陽,乘文馬。有鳥焉,兩頭,赤黃色,在其旁。

奇肱国はその北にある。その人々は腕が一本で目が三つあり、陰もあり陽もある。模様のある馬に乗る。そこに鳥がいて、頭が二つ、色は赤と黄で、そのかたわらにいる。

刑天與帝爭神,帝斷其首,葬之常羊之山,乃以乳為目,以臍為口,操干戚以舞。

刑天は帝と神の座を争い、帝はその首を斬って常羊の山に葬った。そこで乳を目とし、臍を口として、盾と斧を持って舞った。

女祭、女戚在其北,居兩水閒,戚操魚觛,祭操俎。

女祭と女戚はその北にあり、二つの水の間に住む。戚は魚の形の杯を持ち、祭は俎を持っている。

䳐鳥、𪆻鳥,其色青黃,所經國亡。在女祭北。䳐鳥人面,居山上。一曰維鳥,青鳥、黃鳥所集。

䳐鳥と𪆻鳥は、その色が青と黄で、通り過ぎた国は滅びる。女祭の北にある。䳐鳥は顔が人で、山の上に住む。一説に、維鳥といい、青い鳥と黄色い鳥の集まる所だという。

丈夫國在維鳥北,其為人衣冠帶劍。

丈夫国は維鳥の北にある。その人々は衣を着て冠をかぶり、剣を帯びている。

女丑之屍,生而十日炙殺之。在丈夫北。以右手鄣其面。十日居上,女丑居山之上。

女丑の屍である。生きているうちに十の日が焼き殺した。丈夫の北にある。右手でその顔をおおっている。十の日が上にあり、女丑は山の上にいる。

巫咸國在女丑北,右手操青蛇,左手操赤蛇。在登葆山,群巫所從上下也。

巫咸国は女丑の北にある。右手に青い蛇を持ち、左手に赤い蛇を持つ。登葆山にあり、多くの巫が昇り降りする所である。

并封在巫咸東,其狀如彘,前後皆有首,黑。

并封は巫咸の東にある。その姿は豚のようで、前にも後にも頭があり、黒い。

女子國在巫咸北,兩女子居,水周之。一曰居一門中。

女子国は巫咸の北にある。二人の女が住み、水がそれを取り巻いている。一説に、一つの門の中に住むという。

軒轅之國在之際,其不壽者八百歲。在女子國北。人面蛇身,尾交首上。

軒轅国はその境にある。その中で長生きしない者でも八百歳である。女子国の北にある。顔が人で身が蛇で、尾が頭の上に巻きついている。

窮山在其北,不敢西射,畏軒轅之丘。在軒轅國北。其丘方,四蛇相繞。

窮山はその北にある。あえて西に向けて矢を射ない。軒轅の丘を畏れるからである。軒轅国の北にある。その丘は四角で、四匹の蛇が互いに取り巻いている。

諸夭之野,鸞鳥自歌,鳳鳥自舞;鳳皇卵,民食之;甘露,民飲之,所欲自從也。百獸相與群居。在四蛇北。其人兩手操卵食之,兩鳥居前導之。

諸夭の野では、鸞鳥がおのずから歌い、鳳鳥がおのずから舞う。鳳凰の卵を民が食べ、甘露を民が飲み、望むものがおのずから従う。あらゆる獣が互いに群れて住む。四匹の蛇の北にある。その人々は両手に卵を持って食べ、二羽の鳥が前にいて導く。

龍魚陵居在其北,狀如狸。一曰鰕。即有神聖乘此以行九野。一曰鼈魚在夭野北,其為魚也如鯉。

龍魚は陸に住み、その北にある。姿は山猫のようである。一説に、海老という。そこで神聖な者がこれに乗って九つの野を行く。一説に、鼈魚が夭の野の北にあり、その魚は鯉のようだという。

白民之國在龍魚北,白身披髮。有乘黃,其狀如狐,其背上有角,乘之壽二千歲。

白民国は龍魚の北にある。身が白く、髪を解き放っている。乗黄がいて、その姿は狐のようで、その背の上に角がある。これに乗れば二千歳を生きる。

肅慎之國在白民北,有樹名曰雒棠,聖人代立,于此取衣。

粛慎国は白民の北にある。木があって雒棠という。聖人が代わって立つと、ここで衣を得る。

夾注 1

一作:先入伐帝,于此取之

「先に入って帝を討ち、ここでそれを得る」と記すものもある。

長股之國在雒棠北,被髮。一曰長腳。

長股国は雒棠の北にある。髪を解き放っている。一説に、長脚という。

西方蓐收,左耳有蛇,乘兩龍。

西方の蓐収は、左の耳に蛇がいて、二匹の龍に乗る。