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海外東経海外東經

山海経(山と海の彼方を記した経) 山海經 · 作者未詳 · 郭璞 注 · 戦国〜前漢(注は4世紀) · 段落 17 · 漢字 583字 · 朗読 2.3分

山海経(山と海の彼方を記した経) 海経・海外東経 山の彼方と海の外の国々を記した最も古い地理書であり、神話の蔵である。一人が作ったものではなく、戦国時代から漢まで多くの手を経てできあがり、4世紀に郭璞が注を付けた。九尾の狐、精衛、夸父、刑天、西王母はみなここから出た。「東海の内、北海の隅に国があり、その名を朝鮮という」 — 朝鮮という名が残る最も早い記録の一つがこの書にある。

海外自東南陬至東北陬者。

海外の、東南の隅から東北の隅に至るものである。

𨲠丘,爰有遺玉、青馬、視肉、楊桃、甘柤。甘華,百果所生。在東海,兩山夾丘,上有樹木。一曰嗟丘,一曰百果所在,在堯葬東。

𨲠丘では、ここに遺玉、青い馬、視肉、楊桃、甘柤、甘華があり、あらゆる果実の生じる所である。東海にあり、二つの山が丘を挟み、上に木がある。一説に、嗟丘という。一説に、あらゆる果実のある所で、堯が葬られた所の東にあるという。

大人國在其北,為人大,坐而削船。一曰在镸𨲠丘北。

大人国はその北にある。その人々は大きく、座って船を削る。一説に、𨲠丘の北にあるという。

奢比之尸在其北,獸身、人面、大耳,珥兩青蛇。一曰肝榆之尸,在大人北。

奢比の屍はその北にある。身が獣、顔が人、耳が大きく、二匹の青い蛇を耳に掛けている。一説に、肝榆の屍といい、大人の北にあるという。

君子國在其北,衣冠帶劍,食獸,使二文虎在旁,其人好讓不爭。有薰華草,朝生夕死。一曰在肝榆之尸北。

君子国はその北にある。衣を着て冠をかぶり、剣を帯び、獣を食べる。二匹の模様のある虎をかたわらに使い、その人々は譲ることを好んで争わない。薫華草があって、朝に生えて夕べに死ぬ。一説に、肝榆の屍の北にあるという。

𧈫𧈫在其北,各有兩首。一曰在君子國北。

𧈫𧈫はその北にある。それぞれ頭が二つある。一説に、君子国の北にあるという。

朝陽之谷,神曰天吳,是為水伯。在𧈫𧈫北兩水間。其為獸也,八首人面,八足八尾,背青黃。

朝陽の谷で、神を天呉といい、これが水の長である。𧈫𧈫の北、二つの水の間にある。その獣は、頭が八つで顔が人、足が八本、尾が八本、背が青と黄である。

青丘國在其北,其人食五穀,衣絲帛。其狐四足九尾。一曰在朝陽北。

青丘国はその北にある。その人々は五穀を食べ、絹の衣を着る。そこの狐は足が四本で尾が九つである。一説に、朝陽の北にあるという。

夾注 1

一作:青丘國在其北,

「青丘国がその北にある」と記すものもある。

帝命豎亥步,自東極至于西極,五億十選九千八百步。豎亥右手把筭,左手指青丘北。一曰禹令豎亥。一曰五億十萬九千八百步。

帝は豎亥に歩数を測らせた。東の果てから西の果てまで、五億十選九千八百歩であった。豎亥は右手に算木を持ち、左手で青丘の北を指した。一説に、禹が豎亥に命じたという。一説に、五億十万九千八百歩という。

黑齒國在其北,為人黑,食稻啖蛇,一赤一青,在其旁。一曰:在豎亥北,為人黑首,食稻使蛇,其一蛇赤。

黒歯国はその北にある。その人々は黒く、稲を食べ、蛇をかむ。一匹は赤く一匹は青い蛇が、そのかたわらにいる。一説に、豎亥の北にあり、その人々は頭が黒く、稲を食べて蛇を使い、その一匹の蛇は赤いという。

下有湯谷。湯谷上有扶桑,十日所浴,在黑齒北。居水中,有大木,九日居下枝,一日居上枝。

下に湯谷がある。湯谷の上に扶桑があり、十の日が水浴びする所で、黒歯の北にある。水の中にあって大きな木があり、九つの日は下の枝にいて、一つの日は上の枝にいる。

雨師妾國在其北,其為人黑,兩手各操一蛇,左耳有青蛇,右耳有赤蛇。一曰在十日北,為人黑身人面,各操一龜。

雨師妾国はその北にある。その人々は黒く、両手にそれぞれ一匹の蛇を持ち、左の耳に青い蛇があり、右の耳に赤い蛇がある。一説に、十の日の北にあり、その人々は身が黒く顔が人で、それぞれ一匹の亀を持っているという。

玄股之國在其北,其為人股黑,衣魚食䳼,使兩鳥夾之。一曰在雨師妾國北。

玄股国はその北にある。その人々は股が黒く、魚の皮を着てかもめを食べ、二羽の鳥を使ってかたわらに置く。一説に、雨師妾国の北にあるという。

夾注 1

一作:其為人衣魚食䳼

「その人々は魚の皮を着てかもめを食べる」と記すものもある。

毛民之國在其北,為人身生毛。一曰在玄股北。

毛民国はその北にある。その人々は身に毛が生えている。一説に、玄股の北にあるという。

勞民國在其北,其為人黑,食果草實。有一鳥兩頭。或曰教民。一曰在毛民北,為人面目手足盡黑。

労民国はその北にある。その人々は黒く、木の実や草の実を食べる。頭が二つある鳥が一羽いる。あるいは教民ともいう。一説に、毛民の北にあり、その人々は顔、目、手、足がすべて黒いという。

東方句芒,鳥身人面,乘兩龍。

東方の句芒は、身が鳥で顔が人、二匹の龍に乗る。

建平元年四月丙戌,待詔太常屬臣望校治,侍中光祿勳臣龔、侍中奉車都尉光祿大夫臣秀領主省。

建平元年四月丙戌、待詔太常属の臣望が校訂し、侍中光禄勲の臣龔と、侍中奉車都尉光禄大夫の臣秀が担当して点検した。