いにしえの文 › 山海経(山と海の彼方を記した経) › 海経・海内西経

海内西経海內西經

山海経(山と海の彼方を記した経) 山海經 · 作者未詳 · 郭璞 注 · 戦国〜前漢(注は4世紀) · 段落 24 · 漢字 728字 · 朗読 2.9分

山海経(山と海の彼方を記した経) 海経・海内西経 山の彼方と海の外の国々を記した最も古い地理書であり、神話の蔵である。一人が作ったものではなく、戦国時代から漢まで多くの手を経てできあがり、4世紀に郭璞が注を付けた。九尾の狐、精衛、夸父、刑天、西王母はみなここから出た。「東海の内、北海の隅に国があり、その名を朝鮮という」 — 朝鮮という名が残る最も早い記録の一つがこの書にある。

海內西南陬以北者。

海内の、西南の隅から北に至るものである。

貳負之臣曰危,危與貳負殺窫窳。帝乃梏之疏屬之山,桎其右足,反縛兩手與髮,繫之山上木。在開題西北。

貳負の臣を危という。危は貳負とともに窫窳を殺した。帝はそこで彼を疏属の山につなぎ、その右足に足かせをはめ、両手を髪とともに後ろで縛って、山の上の木に結びつけた。開題の西北にある。

大澤方百里,群鳥所生及所解。在鴈門北。

方百里の大きな沼があり、多くの鳥が生まれ、羽の生え替わる所である。鴈門の北にある。

鴈門山,鴈出其閒。在高柳北。

鴈門山で、雁がその間から出る。高柳の北にある。

高柳在代北。

高柳は代の北にある。

后稷之葬,山水環之。在氐國西。

后稷が葬られた所で、山と水がそれを取り巻いている。氐国の西にある。

流黃酆氏之國,中方三百里。有塗四方,中有山。在后稷葬西。

流黄酆氏の国で、その中は方三百里である。四方に道があり、中に山がある。后稷が葬られた所の西にある。

流沙出鍾山,西行又南行昆侖之虛,西南入海黑水之山。

流沙は鍾山から出て西へ行き、また南へ行って崑崙虚を過ぎ、西南へ海と黒水の山に入る。

國在流沙中者埻端、璽蓉,在昆侖虛東南。一曰海內之郡,不為郡縣,在流沙中。

流沙の中にある国は埻端と璽蓉で、崑崙虚の東南にある。一説に、海内の郡だが郡県とはならず、流沙の中にあるという。

夾注 1

一作:東胡在大澤東。夷人在東胡東。

「東胡が大きな沼の東にある。夷人が東胡の東にある」と記すものもある。

國在流沙外者,大夏、豎沙、居繇、月支之國。

流沙の外にある国は、大夏、豎沙、居繇、月支の国である。

夾注 1

一作:貊國在漢水東北。地近于燕,滅之。

「貊国が漢水の東北にある。土地が燕に近く、燕がこれを滅ぼした」と記すものもある。

西胡白玉山在大夏東,蒼梧在白玉山西南,皆在流沙西,昆侖虛東南。昆侖山在西胡西,皆在西北。

西胡の白玉山は大夏の東にあり、蒼梧は白玉山の西南にあって、みな流沙の西、崑崙虚の東南にある。崑崙山は西胡の西にあり、みな西北にある。

夾注 1

一作:孟鳥在貊國東北,其鳥文赤、黃、青,東鄉。

「孟鳥が貊国の東北にある。その鳥は模様が赤、黄、青で、東を向いている」と記すものもある。

海內昆侖之虛,在西北,帝之下都。昆侖之虛,方八百里,高萬仞。上有木禾,長五尋,大五圍。面有九井,以玉為檻。面有九門,門有開明獸守之,百神之所在。在八隅之巖,赤水之際,非仁羿莫能上岡之巖。

海内の崑崙虚は西北にあり、帝の下の都である。崑崙虚は方八百里、高さは万仞である。上に木禾があって、長さは五尋、太さは五かかえである。面ごとに九つの井戸があり、玉を手すりとしている。面ごとに九つの門があり、門には開明獣が守っていて、あらゆる神のいる所である。八つの隅の岩、赤水のほとりにあって、仁ある羿でなければその丘の岩に登ることはできない。

赤水出東南隅,以行其東北。西南流注南海厭火東。

赤水は東南の隅から出て、その東北へ行く。西南へ流れて南海の厭火の東に注ぐ。

河水出東北隅,以行其北,西南又入渤海,又出海外,即西而北,入禹所導積石山。

黄河は東北の隅から出て、その北へ行き、西南へまた渤海に入り、また海外へ出て、西へ向かい、そして北へ、禹が水路を通した積石山に入る。

洋水、黑水出西北隅,以東,東行,又東北,南入海,羽民南。

洋水と黒水は西北の隅から出て、東へ、東へ行き、また東北へ、南へ海に入る。羽民の南である。

弱水、青水出西南隅,以東,又北,又西南,過畢方鳥東。

弱水と青水は西南の隅から出て、東へ、また北へ、また西南へ行き、畢方鳥の東を過ぎる。

昆侖南淵深三百仞。開明獸身大類虎而九首,皆人面,東嚮立昆侖上。

崑崙の南の淵は深さが三百仞である。開明獣は身の大きさが虎に似ていて頭が九つあり、みな顔が人である。東を向いて崑崙の上に立っている。

開明西有鳳皇、鸞鳥,皆戴蛇踐蛇,膺有赤蛇。

開明の西に鳳凰と鸞鳥がいて、みな蛇を頭にのせ蛇を踏んでおり、胸に赤い蛇がある。

開明北有視肉、珠樹、文玉樹、玗琪樹、不死樹。鳳皇、鸞鳥皆戴瞂。又有離朱、木禾、柏樹、甘水、聖木曼兌,一曰挺木牙交。

開明の北に視肉、珠樹、文玉樹、玗琪樹、不死樹がある。鳳凰と鸞鳥はみな盾を頭にのせている。また離朱、木禾、柏の木、甘水、聖木の曼兌がある。一説に、挺木の牙交という。

開明東有巫彭、巫抵、巫陽、巫履、巫凡、巫相,夾窫窳之尸,皆操不死之藥以距之。窫窳者,蛇身人面,貳負臣所殺也。

開明の東に巫彭、巫抵、巫陽、巫履、巫凡、巫相がいて、窫窳の屍を挟んでいる。みな不死の薬を持ってそれを防いでいる。窫窳というものは、身が蛇で顔が人で、貳負の臣が殺したものである。

服常樹,其上有三頭人,伺琅玕樹。

服常樹があって、その上に頭が三つある人がいて、琅玕樹を見張っている。

開明南有樹鳥,六首;蛟、蝮、蛇、蜼、豹、鳥秩樹,于表池樹木,誦鳥、鶽、視肉。

開明の南に樹鳥がいて、頭が六つである。蛟、蝮、蛇、蜼、豹、鳥秩樹があり、池のほとりに並ぶ木々と、誦鳥、はいたか、視肉がある。

蛇巫之山,上有人操柸而東向立。一曰龜山。

蛇巫の山で、上に人がいて杯を持ち、東を向いて立っている。一説に、亀山という。

西王母梯几而戴勝,其南有三青鳥,為西王母取食。在昆侖虛北。

西王母は几に寄りかかって勝をかぶっている。その南に三羽の青い鳥がいて、西王母のために食べ物を取ってくる。崑崙虚の北にある。